マーゴ・ガーヤン(Margo Guryan)

11月 11, 2023BGM,ソフトロック・サンシャインポップ

マーゴ・ガーヤンとは

マーゴ・ガーヤンはニューヨーク出身のソングライター・ミュージシャンです。

小さい頃からピアノを習っており、クラッシクやジャズに親しむ環境に育ちました。

大学卒業後はジャズ畑で活躍し、ジャズプレイヤー達に曲を提供したり、ピアニストとして活動していました。

そんな中、友人から勧められた1枚のレコードを聴いて衝撃を受けます。

それはビーチ・ボーイズの「ペットサウンズ」です。

この「ペットサウンズ」、ポップス・ロック界だけではなく、音楽ジャンルの垣根を超えた殿堂入りのアルバムです。1枚のアルバムが一人の人間の運命を変えた一瞬でした。

それ以降、マーゴはポップス界に転向し、ソングライターとして活動を始めます。

代表曲はスパンキー&アワ・ギャングに提供した「Sunday Mornin’」。こちらはセルフカバーしたものです。

  「スパンキー&アワ・ギャング」についても記事を書いてます。参考にどうぞ。

クロディーヌ・ロンジェ等に提供した「Think Of Rain」。「ペット・サウンズ」の中の「神のみぞ知る(God Only Knows)」に影響を受けた作品としても有名。こちらもセルフカバー版。

 クロディーヌ・ロンジェについてはこちら。女性ウィスパーボーカルなので、マーゴ・ガーヤンがお気に入り になったなら、ぜひ必聴です。

マーゴ・ガーヤンのアルバム – Take A Picture

マーゴ自身も、ソングライターとして活躍していた傍ら、自らもミュージシャンとして活動を始めます。

1968年、スパンキー&アワ・ギャングが協力した、その名も「スパンキー&アワ・ギャング」という曲でデビューします。

同年、「Take A Picture」(テイク・ア・ピクチャー)というアルバムをリリース。

前述した「Sunday Mornin’」、「Think Of Rain」のセルフカバー曲も収録されています。

マーゴ・ガーヤン特有のウィスパリング・ヴォイスと幅広い音楽的素養が凝縮された素晴らしい1枚ですが、商業的には成功しませんでした。

そして、彼女もまた、音楽界から忘れられた存在となっていきます。

(理由はいろいろあるものの、ソフトロック界のアーティストは自らライブやツアー等のプロモーションを行わない事が原因の一つらしい。)

そして1980年代後半、渋谷系ミュージシャンにより日本で先行し再評価され、今では60年代のソフトロックを代表するアーティストとして知られるようになりました。

そして「Take A Picture」のアルバムは、思わずジャケ買いしてしまいそうな美麗ジャケットとしても知られています。

雨の中、窓辺の女性(マーゴ本人・当時31歳)が空を見上げてほほ笑んでいるように、「Take A Picture」から流れる音楽は休日の雨の憂鬱さをリラックスできる空間に変えてくれることでしょう。