The Sagittarius(サジタリウス)・『プレゼント・テンス』
サジタリウスとはどんなグループ?
サジタリウスは1967年に結成されたグループです。といっても、正式なメンバーがいるわけではありません。
以前のブログにも登場したプロデューサーのゲイリーアッシャーが中心となって作り上げた、スタジオ・ミュージシャンによって録音された架空のグループです。
アルバム「プレゼント・テンス」の発表までにはこんな経緯があります。
ゲイリーアッシャーが、スタジオミュージシャンを集めてきて先行シングル「My World Fell Down」を録音します。
このシングルは当時ゲイリーがプロデュースしていたチャド&ジェレミーというユニットに用意していたそうなのですが、いろいろあって、スタジオミュージシャンで録音し、「サジタリウス」名義で発表したそうです。
(ちなみにこのスタジオミュージシャンの中には、ビーチボーイズのツアーメンバーであるグレンキャンベル、追加メンバーであるブルース・ジョンストンがいたそうなので、豪華メンバーともいえます。)
その後、ゲイリー・アッシャーはボールルームというバンドに出会います。
このボールルーム、以前のブログで紹介したミレニウムの中心人物であるカート・ベッチャーが属していたバンドなのですが、ゲイリーはカート・ベッチャーの才能に感銘を受けます。
⇓ゲイリー・アッシャー、カートベッチャ―についてはこちらの記事も参考にしてください
そしてボールルーム後、メンバーの一部がミレニウムに発展するわけですが、ボールルームの未発表曲をゲイリーとカートが編集し、サジタリウス名義でアルバムとして発表します。
そのレコーディングの際に、ミレニウムのメンバーも参加しているので、ミレニウムのアルバムBeginと本作品は姉妹盤と言われているそうです。
☟シングルとしてリリースされた、「My World Fell Down」です。
⇓ソフトロック色の強い、感動的な曲「Song to the Magic Frog」
サジタリウスのその後
1969年、ゲイリー・アッシャーはサジタリウスの次のアルバムの制作にとりかかります。
2ndアルバム『ブルー・マーブル』です。
一枚目の「プレゼント・センス」は、カートベッチャ―の曲が多かったのですが、2枚目のアルバムはゲイリー自身がボーカリストとして参加しています。
カートベッチャ―も少しは参加していますが、一枚目のアルバム「プレゼント・センス」の方がカート・ベッチャー色の濃い独特の音楽が味わえます。
しかしながらサジタリウスの2枚のアルバムも商業的な成功は成し遂げられず、ブレイクは1990年代の渋谷系による発掘により日の目を見るまで待たなければなりませんでした。
というわけで、サジタリウスですが、一枚目と二枚目のアルバムで、少し雰囲気が違います。どちらも比べて聞いてみて、お気に入りを見つけてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません